
電話営業を行なっているビジネスマンの中には、以下のような悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。
- 電話をかけてもすぐに切られる
- 電話営業でアポイントが取れない
本記事では、電話営業で使える心理学を解説するとともに、電話営業のコツについても紹介していきます。
「電話営業をもっと効率的に行いたい」と思っている人はぜひ最後までお読みください。
テレアポで心理学を活用するメリットは?
テレアポで心理学を活用するメリットは以下の2つです。
- 電話を切られにくくなる
- アポイントの獲得率が上がる
ひたすら電話をかければいつかはアポイントが取れるかもしれませんが、心理学を活用するともっと効率的になります。
テレアポで心理学を活用するふたつのメリットについて確認していきましょう。
電話を切られにくくなる
テレアポをする際に「事前に用意されているスクリプトを読んでも電話をすぐに切られてしまう」という経験をしたことがある人は多いでしょう。
電話を取る人の中には、テレアポと分かった時点で電話を切ってしまう人も多く、ガチャ切りされることもよくあります。
心理学を活用すると、相手の興味関心を惹いて魅力的な提案ができるようになるので、電話を切られる確率を下げることが可能です。
電話営業でメリットや利益を強く進めるとかえって怪しまれて、電話を切り上げられることがよくあります。
心理学を用いたテレアポは、相手の興味を引くことで電話を引き伸ばせることがメリットです。
アポイントの獲得率が上がる
心理学を活用すると、電話を切られる可能性が下がるだけでなく、アポイントの獲得率が上がります。
心理学を意識した会話を心がけると、相手が抱えている問題を引き出したり、話を聞くメリットをうまく提示できたりするからです。
心理学を知っていれば情報ひとつとっても細かい伝え方が変わるため「この営業マンは他の人と違うかもしれない」と思わせることができるでしょう。
電話営業で使える心理学のテクニックは?【例文あり】
電話営業で使える心理学のテクニックは以下の9個です。
- ブーメラン効果
- プロスペクト理論
- フレーミング効果
- 社会的証明の心理
- カクテルパーティー効果
- オープンクエスチョン
- ドア インザ フェイス テクニック
- フット インザ ドア テクニック
最初から全部覚えて活用する必要はないので、まずはどんな心理学が存在しているのか理解を深めていきましょう。
各心理学の概要とともに、利用したときのメリットを詳しく解説していきます。
【電話営業で使える心理学1】ブーメラン効果
ブーメラン効果は「相手に商品やサービスを強く売り込めば売り込むほど敬遠される」ことを指しています。
親に「勉強しろ」と言われすぎて、逆に全くやる気がなくなる経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
自社が扱っている商材の良さを全面に押し出しすぎると、逆に不信感を抱かれるので注意が必要です。
ブーメラン効果を元にすると、一方的な押し付けでテレアポを進めるのではなく、相手にも自由意志を持たせることが重要だということがわかります。
「最終的な決定権は相手にある」という流れを作ることができれば、テレアポの成功率は高くなるはずです。
【電話営業で使える心理学2】プロスペクト理論
プロスペクト(prospect)は、英語で「期待」や「予想」を指した言葉で、プロスペクト理論は「不確実性がある時、条件や状況によって人は合理的な判断ができなくなる」という意味の心理学用語です。
一見するとわかりづらい言葉ですが、宝くじなどを例にすると理解しやすくなります。
ほとんど当たることがない宝くじを買う人が多いのは「買わずに損したくない」という心理が働くからです。
したがって、電話営業をする際に「得をする」のではなく、話を聞かないと「損をしてしまう」とアピールすればプロスペクト理論によって効率的にアポイント獲得ができます。
【電話営業で使える心理学3】フレーミング効果
フレーミング効果は「同じ意味を表している言葉でも、伝え方によって意思決定が変わる」という心理効果です。
例えば、手術を受けるときに「100人に10人が失敗する」と聞くと躊躇しますが「90%の確率で成功する」と言われると前向きになるはずです。
フレーミング効果を活用して、電話営業で情報を伝えるときは「15%の企業が失敗する」ではなく「85%の企業が成功している」というように伝えるようにしましょう。
伝え方が少し違うだけで、捉え方も変わることを覚えておいてください。
【電話営業で使える心理学4】バックトラッキング
バックトラッキングは、日本語で「オウム返し」という意味です。「嬉しかった」と言われたら、こちらも「嬉しかったんですね」というふうに返します。
バックトラッキングを活用すると、相手は話を聞いてもらっているという安心感や肯定感を感じます。
したがって、営業をする際に取り入れれば、近況などの詳しい話を自然に引き出しやすくなるでしょう。
ただし、バックトラッキングを活用する際は、やりすぎに注意することが大切です。
あからさまなオウム返しが多いと、逆に話をちゃんと聞いていない印象を与えてしまいます。
【電話営業で使える心理学5】社会的証明の心理
人は物事の特徴や優れているポイントよりも、多くの人に支持されていることを評価します。
実際、飲食店を探すときに評価サイトを見たり、インターネットで商品を購入するときにランキングサイトを見たりする人も多いでしょう。
営業をするときに社会証明の心理を用いて「あの企業もやっている」と話すと、信頼感からアポイント獲得や受注できる確率が上がります。
第3者をうまく引き合いに出して会話につなげることが大切です。
【電話営業で使える心理学6】カクテルパーティー効果
「パーティーの場のような騒がしいところでも、自分の名前や興味のある言葉は聞き取れる」ことを、心理学ではカクテルパーティー効果と呼びます。
電車で寝てしまったとき、自分が降りる駅に近づくとちゃんと起きれるのはカクテルパーティー効果が要因だとも言われています。
人は自分に必要な情報を自然に取捨選択するので「10名様限定」など、抽象的に伝えるよりも「〇〇を3年以上使用している人」というように、具体性を持たせる方が効果的です。
電話営業で限定感や特別感をアピールするときに役立つでしょう。
【電話営業で使える心理学7】オープンクエスチョン
オープンクエスチョンは「相手に自由な回答ができる質問を与える手法」です。「今後の展望はどのようにお考えですか?」など、相手が自由に考えられる質問を投げ掛ければ、ヒアリングをする際に役立ちます。
ただし、あまりにも自由度が高い質問は考えることが多いため、回答するのに体力を使ってしまうので注意が必要です。
質問を投げかけるときに「5W1H」を活用して、回答する幅をある程度限定してあげましょう。
また「はい・いいえ」で答えられる「クローズドクエスチョン」と併用するとさらに効果が期待できます。
【電話営業で使える心理学8】ドア インザ フェイス テクニック
ドアインザフェイステクニックは「一度難しいお願いをした後に、本題を要求すると通りやすい」という心理学の手法です。
借りができたら返さなくてはいけないと考える「返報性の心理」を活用したテクニックでもあります。
例として、ドアインザフェイステクニックを営業電話で活用すると以下のようになるでしょう。
あなた「今受注を決めていただければ〇〇を追加でサービスします」
相手「良いオファーだとは思うのですが、私の一存では決められないので…」
あなた「それでは、一度お話を聞いてもらってから、上に相談してもらうことはできますか?」
相手「(一回断っちゃたしな)話を聞く分には問題ないですよ」
上記のように、人は一度オファーを断ると、罪悪感から次の提案に前向きになります。
ただし、最初に提示したオファーが度を超えたものだと嫌悪感を与えてしまう点には注意が必要です。
【電話営業で使える心理学9】フット インザ ドア テクニック
フットインザドアテクニックは、ドアインザフェイステクニックとは逆に「徐々に要求の大きさをあげていく手法」です。
人間が無意識に一貫性を取ろうとして、態度や行動を継続する「一貫性の原理」を活用しています。
小さなお願い事をした後に大きなお願い事をすると「一度お願いを聞いたし、今回も聞いてあげよう」となるのです。
ビジネスでも、無料登録のお願いから時間が経った後、より詳しい打ち合わせを依頼し、最終的には受注まで到達することが度々あります。
フットインザドアテクニックを電話営業で活用すれば、効率的に段階を踏ませて、アポイント獲得ができるでしょう。
なお、最初にお願いする依頼は、通りやすいものである必要があるので注意してください。
【成績トップの営業マンが実践】電話営業で成果を出すためのコツは?
電話営業で成果を出すコツとして挙げられるのは以下の5つです。
- 効果検証を行なって、アポが取りやすい営業トークを探す
- 相手にとってのメリットを最初に伝える
- ゆっくり話す
- 声のトーンを上げてハキハキと喋る
- 相手の反応によって営業トークや使う心理学テクニックを変える
心理学だけでなく、成績を出している営業マンが実践しているテクニックも合わせて確認しておきましょう。
効果検証を行なって、アポが取りやすい営業トークを探す
テレアポをする際、最初にトークスクリプトが与えられ、記載されている通りに会話を進めることが多いです。
トークスクリプトの内容に合わせて電話をかけ続けていれば、アポイントを取ること自体は可能でしょう。
しかし、営業マンとしてさらに活躍したいのであれば、効果検証を行ってより良いトークを探していくことが大切です。
アポイントの取りやすさは業態や地域によっても変わるので、シチュエーションごとに話す内容を変えてみてください。
相手にとってのメリットを最初に伝える
電話で営業をかける際は、相手にとってのメリットを最初に伝えることが大切です。
結論から話し始めずにダラダラと会話を続けてしまうと「最終的に何を伝えたいのかわからない」という印象を与えてしまいます。
「御社の採用業務を効率的にする提案です」など、具体的にメリットを伝えることが重要です。
情報の伝わりやすさを意識して、要点を先に伝えるようにし、補足する情報を後に続けるようにしましょう。
ゆっくり話す
テレアポをする際は、ゆっくり話すようにすることも大切な要素です。直接話している場合は、口の動きから大体の内容を予想できるため、話のスピードが早くてもついていけます。
しかし、電話で会話をするときは、周りの音の干渉もあるため、話す速度を意識しないと内容を認識できません。
話す内容が良くても情報が正しく伝わらないと意味がないため、電話営業では普段友人と会話するときよりもゆっくり話すようにして習慣づけましょう。
声のトーンを上げてハキハキと喋る
電話営業では、話し方を意識すると同時に、声のトーンにも留意してください。トーンが定まっていないと、声が聞こえづらく、会話がうまくできないことがあります。
特に、男性の低い声は聞き取りづらい傾向にあるので、いつもよりも高いトーンを意識しましょう。
聞き取りづらい声のせいで何度も聞き返しをさせてしまうと、相手にとってもストレスが大きく、電話を早めに切り上げられてしまう可能性があります。
適切なトーンがわからない場合は、同僚や友人に練習相手になってもらい、確認と調整をすることがおすすめです。
相手の反応によって営業トークや使う心理学テクニックを変える
電話営業を始めたばかりの頃は難しいかもしれませんが、ある程度経ってくると相手の細かい反応から、商談に前向きなのかわかるようになってきます。
テレアポで成果を出すには、ただトークスクリプトに頼るのではなく、トークを変える臨機応変さや応用力が重要です。
相手が興味のある話を中心にして、会話を進めていってください。
また、電話営業は相手の反応を完全に感じ取るのが難しいので、トークの種類だけでなく、心理学を活用することがおすすめです。
「カクテルパーティー効果」や「フレーミング効果」など、まずは簡単なものから使い始めてみましょう。
まとめ:心理学を学んでテレアポで成果を出せる人材になろう
電話営業を始めると「なかなか効率的にできない」と悩むことが多いです。電話営業でさらに成果を出すには、心理学の活用をおすすめします。
人間の考えや行動のメカニズムに基づいた心理学を活用すれば、自分が求めている結果に向けて相手を誘導しやすくなるでしょう。
「ブーメラン効果」や「プロスペクト理論」など、世の中には多数の心理学がありますが、最初から全部覚えて活用する必要はありません。
各心理学の手法の概要やメリットを確認し、使えそうなものから始めていってください。
声のトーンや話し方などと合わせて心理学を活用し、PDCAを回してより効果的な手法を編み出していけば、トップクラスの営業マンに早く近づけます。
また、電話営業のスキルを催促で身につけるには、トークスクリプトの活用も重要です。
心理学を取り入れたトークスクリプトでPDCAを回していくことで、契約・アポイントも取れやすくなるはずです。
トークスクリプトの作り方について知りたい人は、下記の記事を参考にしてみてください。

