
メールやチャットツールの普及により、「インサイドセールス」という営業手法が注目を集めています。
マーケティングなどに携わっている人や営業職として活躍している人なら、名前は1度は聞いたことがあるかもしれません。
しかし、インサイドセールスの具体的な内容まで理解できている人は少ないのではないでしょうか。本記事では、インサイドセールスの概要から、成功させるコツまでを網羅的に解説していきます。
インサイドセールスについて詳しく知りたい人はぜひ最後までお読みください。
インサイドセールスとは何のこと?
インサイドセールスは、直訳すると「内勤営業」のことです。社内のオフィスにいながら、電話やメールなどを用いて顧客に営業する手法を指しています。
より具体的な内容を理解するには、インサイドセールスの役割や他手法との違いを理解することが大切です。
インサイドセールスの役割やフィールドセールスとの違いなどについて解説していきます。
インサイドセールスの役割は?
インサイドセールスには、顧客の興味を惹いてナーチャリング(育成)する役割があります。
自社の商材に対して興味を持ってくれた相手に、メールなどのツールを用いてコミュニケーションを継続することで、関心が強いままフィールド担当などにトスアップできるでしょう。
消費者の行動形態の代表的なモデルには「AIDMA」というものが存在します。
AIDMAは以下のような構成です。
- Attention(注意)
- Interest(関心)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶)
- Action(行動)
つまり、顧客を行動に促すには、まずは認知させ関心を獲得する必要があります。
インサイドセールスを用いれば、顧客の関心が高いまま営業に流すことができるため、行動までの流れがスムーズにいくでしょう。
フィールドセールス(訪問営業)との違いは?
フィールドセールスは、その名称の通り「顧客と直接やりとりを行う営業手法」のことです。チャットツールなどが普及する前までは主流な方法として認知されており、多くの企業に取り入れてられていました。
フィールドセールスは、顧客と直接的なやりとりを行えるため、信頼関係の構築がしやすいメリットがあります。
しかし、訪問したとしてもまだ獲得までいけないケースが多いことも特徴のひとつです。
インサイドセールスは、対面せずに顧客に情報を与え、関心度の高い顧客を見つけられるため、顧客獲得までの効率が大きく異なります。
インサイドセールスの種類は?
インサイドセールスには、以下のような種類が存在します。
- ①プッシュ型営業(新規開拓営業)
- ②プル型営業(反響営業)
どちらも特徴が異なるため、目的によって使い分ける必要があります。
それぞれのインサイドセールスの種類について確認しておきましょう。
①プッシュ型営業(新規開拓営業)
プッシュ型のインサイドセールスでは、以下のようなターゲットに対して、自社からのアプローチを行います。
- 接点を持ちづらい企業
- 積極的に売り込んでいきたい企業
- 認知するのが難しい企業
新規開拓営業と呼ばれる方法は、一般的に相手企業の情報を集めたり、戦略を立案するまでに時間が必要です。
したがって、工数をかけてでもアプローチしたい企業に絞ることが重要だといえます。
また、プッシュ型のインサイドセールスでは、主に決裁権を持っている相手への電話や手紙を用いるため、地道な努力が必要になるでしょう。
②プル型営業(反響営業)
プル型のインサイドセールスは、プッシュ型と違い、反響があった顧客に対して営業する手法です。
具体的には、HPやLPからの資料請求からメールアドレスなどを獲得し、こちらから情報を流すことで購買意欲をさらに掻きたてます。
プル型営業では、電話を用いることが多いため、相手のニーズを引き出すための会話力や傾聴力が求められるでしょう。
また、反響があった顧客に対して、すぐに行動を起こさないと機会損失にも繋がりかねないため、スピード感が求められる方法でもあります。
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インサイドセールスのメリットは?
インサイドセールスには、以下のようなメリットが存在します。
- 営業担当の業務を効率化できる
- 少人数のチームでも多くの営業先にアプローチできる
- 長期的に顧客の育成ができる
- 業務の属人化を防げる
- コロナ禍における営業に最適
インサイドセールスの導入に踏み切る前に、具体的なメリットについて確認しておきましょう。
インサイドセールスのメリットについて、ひとつずつ解説していきます。
営業担当の業務を効率化できる
一般的に、営業して顧客を獲得するまでの流れは以下のようになっています。
- 顧客リストの作成
- 興味や関心の高い顧客を洗い出す
- 商談のアポイント獲得
- 契約成立
上記のように、営業が担当する業務の幅は広く、フィールドセールスでは全ての工程を営業マンが行っていました。
インサイドセールスを取り入れると、リストの作成や顧客の洗い出しを別部署で担当するため、営業マンが行う業務を削減できます。
また、確度の高い顧客に対してのみアプローチできるようになるため、営業活動全体の効率化も期待できるでしょう。
少人数のチームでも多くの営業先にアプローチできる
インサイドセールスは、オフィス内で行われる営業手法であるため、人数が少なくても取り入れることができます。
人員を割く必要がないことは、まだ創業して間もない企業にとっては大きなメリットです。
また、同時にひとりの営業マンが担当する顧客数を増やすことも可能です。
営業の人数が少なくても、情報収集をしている見込み顧客への継続した情報提供ができるため、今までアプローチしきれなかった企業へも対応できるでしょう。
長期的に顧客の育成ができる
インサイドセールスは、長期的な顧客育成が可能なこともメリットのひとつです。メールやDMなどのツールを用いるため、定期的な連絡をすることができます。
顧客の中には、長時間考えてから商材の利用を決定したい場合や、時期を見越して導入を検討したいこともあるため、地道な営業活動が必要となることもあるでしょう。
インサイドセールスを活用すれば、機会を取りこぼさずに利益を拡大させることができます。
業務の属人化を防げる
一般的に、フィールドセールスは、社員が業務に慣れるまでに時間がかかる傾向があります。なぜなら、顧客の元を訪れ、ニーズを引き出して適切な商材をアプローチするには、長年の経験や勘が必要になることもあるからです。
一方で、インサイドセールスの場合は、仕組みや組織作りに力を入れることで、誰でも業務を担当することができます。
また、過去の情報を保存することもできるため、技能をブラッシュアップしやすいことがメリットです。
コロナ禍における営業に最適
コロナウイルスの影響は、2022年現在でも止まっていません。
企業の中には、コロナウイルスによって直接的な営業を避ける所もあるため、インサイドセールスのような接触が必要のない手法はニーズが高まっています。
社内のリスクを回避することもできるため、感染の影響で業務が滞る心配もなくなります。
インサイドセールスは、時代と現在の状況に合った営業手法だといえるでしょう。
インサイドセールスのデメリットは?
メリットが多く存在する反面、インサイドセールスには以下のようなデメリットも秘められています。
- チーム内での情報共有できる体制を整える必要がある
- 顧客管理が大変
- 日程調整が大変
導入後に慌てないように、インサイドセールスのそれぞれのデメリットについて事前に理解しておきましょう。
チーム内での情報共有できる体制を整える必要がある
インサイドセールスは、以前まで営業マンが行っていた業務を分担し、効率的に顧客の育成を行う方法です。
したがって、インサイドセールスとフィールドセールスの間で、しっかりと情報共有できる体制が必要になります。
また、マーケティングの担当者が見込み顧客を獲得して引き継ぎを行う場合、インサイドセールスの担当者が請け負うこともあるでしょう。
コミュニケーションが不足すると、会社全体の利益にも影響するため注意が必要です。
顧客管理が大変
見込み顧客の数が増えていくと、顧客管理が大変になることもあるため、状況によっては顧客管理システムや営業支援システムを導入しなければいけないこともあります。
また、システムの導入で管理をカバーしきれない場合は、人員の補充を検討する必要もあるでしょう。
顧客管理システムや営業支援のシステムを導入すると、顧客解析も行えるため、業務の効率化を測れます。
現在のシステムでは難しい操作なども必要ないため、余裕があればなるべく早い段階で取り入れることがおすすめです。
日程調整が大変
実際に、インサイドセールスで業務の効率化を図れるようになった場合、多くの企業と日程調整をすることになります。
同じ時間の日程を複数の企業に送り、同じ日時を希望された場合、調整が大変になるでしょう。
更なる業務の効率化を図りたいのであれば、調整ツールの導入を検討することがおすすめです。
ツールを活用すれば、ダブルブッキングを未然に防ぎつつ、簡単に調整を行うことができます。
インサイドセールスを成功させるコツは?
インサイドセールスは、ただ始めれば結果がついてくるものではありません。以下のコツについて理解し、実行することが成功への近道です。
- 営業リストを集める
- 営業リストを育成する(ナーチャリングを行う)
- クロージングを行う
それぞれのコツについて、順番に解説していきます。
営業リストを集める
当たり前のことですが、インサイドセールスを成功に導くためには、営業をかけるためのリストを集める必要があります。
営業リストを収集する具体的な方法は以下の4つです。
- 問い合わせページを作る
- 無料のセミナーを開催する
- SNSなどでホワイトペーパーを配布する
- 営業リストを購入する
営業リストの回収方法について、より詳細な情報を見ていきましょう。
リスト収集手法①問い合わせページを作る
問い合わせページを作る手法は多くの企業で導入されています。メールフォームが作成されていれば、ユーザーが問い合わせをするハードルが下がるため、興味を持ってくれた相手とコンタクトを取りやすくなるでしょう。
また、問い合わせページを作る際は日程調整ツールの導入もおすすめです。Smoothlyであれば、オンライン予約ページから日程調整も自動化できます。
問い合わせは、顧客を獲得する大きなチャンスであるため、取り逃がさないように工夫をすることが大切です。
リスト収集手法②無料のセミナーを開催する
リストを収集する方法のひとつとして、無料のセミナーの開催も挙げられます。これまでは会場を借りて開催するセミナーが一般的でしたが、現在はWeb上で開催する「ウェビナー」も普及しているため、費用や人員を割く必要がなくなりました。
セミナーに参加した人たちのリストから営業をかけていくことも可能であるため、効率的に営業リストを作成できるでしょう。
また、興味を持ってくれている相手に営業できるため、確度の高さも魅力のひとつだといえます。
リスト収集手法③SNSなどでホワイトペーパーを配布する
ホワイトペーパーは、企業に蓄積されたノウハウや最新の情報をまとめたものであり、有益な情報を企業から顧客に流す手法のことです。
ホワイトペーパーをダウンロードしてくれた相手から、メールアドレスや電話番号などを獲得できるため、効率的に営業リストを作成できるでしょう。
また、SNSと併用することで、更なる情報の拡散やダウンロード数の増加が期待できます。
リスト収集手法④営業リストを購入する
営業リストの購入は、リストを収集するためのもっとも早い方法です。しかし、少なからずお金がかかるため、事前の情報収集が重要になります。
どの企業のリストが高品質なのか判断しなければいけないため、各企業の特徴やクチコミをしっかり確認しておきましょう。
基本的にはリストの質が高く、時間の削減にも繋がるため、費用に余裕がある場合は1度取り入れてみてください。
STEP2:営業リストを育成する(ナーチャリングを行う)
営業リストの作成が完了したら、育成(ナーチャリング)を行っていくことになります。ナーチャリングが十分にできていないままクロージングまでいってしまうと、時期尚早として機会を逃してしまうので注意しましょう。
なお、営業リストの育成を行う場合は、以下の方法が挙げられます。
- フォローアップメールを送付する
- テレアポを行い定期的にアポイントを取る
それぞれの方法について具体的に解説していきます。
リスト育成方法①:フォローアップメールを送付する
フォローアップメールは、「見込客の顧客化やリピーターの獲得を狙うためのメール」を指しています。フォローアップメールで顧客の育成を行う場合、相手ごとにメールの内容を変えることが大切です。
見込み顧客の問題意識がどこにあるのかを意識し、有益な情報を届けるようにしましょう。また、メールの構成についても意識して、わかりやすいように工夫を施すことが重要です。
リスト育成方法②:テレアポを行い定期的にアポイントを取る
営業リストの育成を行いたい場合、テレアポを定期的にすることも有用な手法です。
こちらから電話をかけて、最新の情報や有益な情報を発信することができれば、相手の興味を惹き続けることができます。
ただし、テレアポは、かける時間を考慮しないと迷惑になる可能性があるので注意しましょう。
せっかく育成がうまく進んでいても、繁忙期に何度も電話をかけるとイメージが悪くなるため、ブラックリストに入れられてしまう可能性があります。
STEP3:クロージングを行う
見込み顧客の育成が十分にできたら、クロージングを行なっていきます。
最終的に契約を獲得できるかはクロージングにかかっているため、顧客の確度が高くても気を抜かないようにしましょう。
クロージングを行う方法は以下の2つです。
- ミーティングを依頼する
- 割引キャンペーンなどのオファーメールを送付する
それぞれのクロージング方法について確認していきましょう。
ミーティングを依頼する
ミーティングの依頼は、クロージングを行う際のもっとも基本的な方法だといえます。
まだナーチャリングが十分に行えていない場合、ミーティングを承諾してもらうことは困難です。
しかし、セミナーやホワイトペーパーなどを配布した際など、無料で高品質な情報を提案していると、アポを断りづらい傾向にあります。
「一度は話を聞いてみよう」となることが多いため、積極的に依頼することがおすすめです。
割引キャンペーンなどのオファーメールを送付する
ナーチャリングを行い、相手の関心が高まっていれば、オファーメールに良い反応を示す確率は高くなります。
割引キャンペーンなどの、相手に得がある情報を流してみましょう。
人は損をすることに敏感な生き物であるため、オファーメールを送るときは期限を設けて「限定感」を見せることがおすすめです。
まとめ:インサイドセールスを導入すれば、業務効率化・売り上げ増加が期待!
インサイドセールスは、メールや電話を活用してオフィス内で行う営業手法のことです。従来のフィールドセールス営業とは違い、少人数での導入やさらなる業務効率化につなげることができます。
ただし、インサイドセールスを取り入れるためには、チーム内で情報共有できる体制を整える必要があったり、顧客管理を適切に行う必要があるので注意が必要です。
インサイドセールスを成功に導くためには、営業リストの作成やナーチャリングを地道に行なっていくことも大切になります。
したがって、インサイドセールスを効率的に実行する際は、状況によって日程調整ツールや営業管理システムの導入なども検討してみましょう。

