
アウトバウンドマーケティングという言葉を耳にされた方は多いと思います。しかし、実際のところアウトバウンドマーケティングがどのようなマーケティング手法であるのかを答えられる方は少ないのではないでしょうか。
マーケティングに携わる方であれば、様々なマーケティング手法を比較できる視点を獲得し状況に応じた適切なマーケティング施策を行う必要があります。最近ではアウトバウンドマーケティングよりもインバウンドマーケティングを採り入れる企業も増えてきました。
しかし、双方にはそれぞれメリット・デメリットがあります。企業を取り巻く状況によっては現代でもアウトバウンドマーケティングが効果的な場合もあります。そのため、状況に応じた活用をすることが大切です。今回はアウトバウンドマーケティングについてまとめました。
アウトバウンドマーケティングとは?
アウトバウンドマーケティングとはどのようなマーケティング手法なのでしょうか?
アウトバウンドマーケティングとは、企業の側から見込み顧客に対して情報発信を行うマーケティング手法です。アウトバウンドマーケティングをプッシュ型とプル型の2つの視点で分けるとプッシュ型に該当します。
ところで、アウトバウンドマーケティングで用いる具体的な手法としてはどのようなものがあるのか気になりますよね。
具体的には下記のような手法が存在しています。
・ダイレクトメール
・テレマーケティング
・テレビCM
・イベント(展示会)
例えば、テレビCMなどは多数の視聴者に対して企業の側からアプローチできる点が魅力です。
このように、不特定多数の消費者に情報を届けることがアウトバウンドマーケティングの特徴になります。
アウトバウンドマーケティングを行うメリットは?
アウトバウンドマーケティングは従来、企業のマーケティング手法として活用されてきました。現代でもアウトバウンドマーケティングが有効に機能する場面は多いです。
アウトバウンドマーケティングを行うメリットとしてはどのようなものがあるのでしょうか。今回は下記のポイントから解説しました。
即効性が高く短期間で結果を出せる
アウトバウンドマーケティングを行うメリットの1つ目は即効性が高く短期間で結果を出せることになります。
そもそも、アウトバウンドマーケティングで行うマーケティング施策は対象となる顧客の母数が多いという特徴があります。
例えば、テレビCMでは多数の母集団に対し情報発信を行います。自社の製品やサービスが他社に対して優れているのであれば、対象となる顧客を一気に囲い込むことも可能です。
このように、即効性が高く短期間で結果を出せることがアウトバウンドマーケティングのメリットの1つになります。
知名度の向上
アウトバウンドマーケティングを行うメリットの2つ目は知名度の向上につながることになります。
アウトバウンドマーケティングは多数の顧客に情報発信を行えるため企業の露出が増えることになります。
例えば、通勤電車の車内広告に広告を掲載した場合、通勤電車を利用する方の目に留まりますよね。毎日利用する電車で目にする機会が増えれば記憶に残りやすくなります。結果、企業の知名度の向上につながるのです。
このように、知名度の向上につながることもアウトバウンドマーケティングを行うメリットになります。
アウトバウンドマーケティングを行うデメリットは?
即効性が高く、知名度の向上につながるアウトバウンドマーケティング。メリットもある一方でデメリットもあります。
アウトバウンドマーケティングを適切に行うにはデメリットについても理解することが必要です。アウトバウンドマーケティングを行うデメリットについて下記にまとめました。
時間や高いコストがかかる
アウトバウンドマーケティングを行うデメリットとしては、時間や高いコストがかかることになります。
例えば、街中のデジタルサイネージや電車の中吊りに広告の場合、多数の見込み顧客に対してアプローチすることが可能です。しかし、こうした広告は掲載料金が高いことが難点です。
また、テレマーケティングを行うにしても、電話やデスクの整備などのコストやスタッフの雇用・育成のような人件費も必要になります。
このように、時間や高いコストがかかることがアウトバウンドマーケティングのデメリットになります。
活動を止めると成果も減る
アウトバウンドマーケティングのデメリットとしては、活動を止めると成果が減ることもあてはまります。
例えば、テレマーケティングの場合、電話をかけることで成果がでることは理解いただけるでしょう。では、電話をかけることを止めた場合どうなるでしょうか。結論としては成果が減ることになります。
つまり、アウトバウンドマーケティングで成果を出し続けるには活動を継続することが必要になるのです。
このように、活動を止めると成果も減ることもアウトバウンドマーケティングのデメリットになります。
インバウンドマーケティングとは?
アウトバウンドマーケティングに対比されるのが、インバウンドマーケティングです。
インバウンドマーケティングは、有益なコンテンツの提供を通じて、消費者の側から企業に関心を持ってもらうマーケティング施策になります。
例えば、Web上のコンテンツを用いて検索エンジンからの検索流入を目指すSEO施策が該当します。また、ソーシャルメディアやメルマガ、ブログのようなコンテンツを通じて集客を行う施策もインバウンドマーケティングです。
インバウンドマーケティングを行うメリットは?
現代ではコストがかかるアウトバウンドマーケティングは衰退気味になりつつあります。
それに対し、インバウンドマーケティングはスマートフォンが普及した現代社会にマッチした施策であり、今後もニーズが拡大していく可能性が高いといえるでしょう。
インバウンドマーケティングを行うメリットとしてはどのようなものがあるのでしょうか。インバウンドマーケティングを行うメリットを下記にまとめました。
コストを抑えられる
インバウンドマーケティングのメリットの1つ目はコストを抑えられることになります。
例えば、テレビCMを利用した際には、非常に高額のコストが必要になりますよね。それに対して、インバウンドマーケティングの場合、自社でコンテンツ作成し集客を行う手法を用いるので大掛かりな施策は不要です。
また、他の媒体に頼る必要もありません。従ってコストを少なく抑えることができるのです。
このように、コストを抑えられることがインバウンドマーケティングのメリットになります。
発信したコンテンツは資産になるため、継続的な集客効果が見込める
発信したコンテンツが資産になるため、継続的な集客効果が見込めます。
例えばブログの場合、作成した記事は読者の悩みを解決するコンテンツになります。一度作成した記事はWeb上に常時公開されることになるので、継続的な集客効果が見込めるのです。
また、メルマガについても、メルマガを配信することで登録された顧客との継続的な関係性構築を行うことが可能です。
このように、発信したコンテンツは資産になるため、継続的な集客効果が見込める点もインバウンドマーケティングのメリットになります。
見込みの高い顧客からの問い合わせが増える
見込みの高い顧客からの問い合わせが増えることです。
例えば、検索エンジンで情報を検索する顧客は明確な検索意図を持っている場合が多いと言われています。そのため、検索エンジン経由で自社コンテンツにたどり着き、お問い合わせをいただいた顧客は成約の見込みが高いのです。
これに対しアウトバウンドマーケティングの顧客は不特定多数が対象になるため、お問い合わせいただいた顧客が必ずしも成約見込みが高い方であるとは限りません。
このように、見込みの高い顧客からの問い合わせが増えることもインバウンドマーケティングを行うメリットになります。
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インバウンドマーケティングでは見込みの高い顧客の流入が見込めます。しかし、流入が増えたとしても問い合わせに時間がかかりすぎる場合、顧客が離脱してしまう場合もあるでしょう。
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インバウンドマーケティングを行うデメリットは?
現代の社会にマッチしたマーケティング施策であるインバウンドマーケティング。しかし、利用するシーンによっては必ずしも適切なマーケティング施策になるとは言えない場合もあります。
インバウンドマーケティングを行うデメリットとしてはどのようなものがあるのでしょうか。インバウンドマーケティングを行うデメリットを下記にまとめました。
効果が出るまでに時間がかかる
デメリットの1つ目は、効果が出るまでに時間がかかることです。
例えば、SEOで集客を行う場合、Googleからコンテンツが評価されるまでに最低でも6ヶ月は必要と言われています。つまり、SEOで上位表示されるのに時間が必要なため、結果が出るまで時間がかかるのです。
また、その他のインバウンドマーケティング施策についても、基本的に効果が出るまでに時間がかかる施策が多いのです。
このように、効果が出るまでに時間がかかることがインバウンドマーケティングを行うデメリットの1つになります。
コストをかけても効果が出ないこともある
デメリットの2つ目はコストをかけても効果が出ない場合もあることです。
例えば、コンテンツマーケティングの場合、100記事以上の記事(コンテンツ)が必要になる場合もあるため、記事作成のために時間とコストが必要です。ただ、注意しなければならないことは、高品質な記事を作成できなければ十分な効果を得られないことです。
時間とコストをかけて記事を作成したにもかかわらず、記事の質が悪く思ったほど集客が伸びないこともあります。
また、インバウンドマーケティングでは特定のターゲットに対してアピールを行うため、ターゲットの選定が行えていない場合、十分な効果が期待できません。そのためターゲットの選定が非常に大切になります。
このように、コストをかけても効果が出ない場合もあることがインバウンドマーケティングを行う際のデメリットになります。
アウトバウンドマーケティングの成功事例は?
アウトバウンドマーケティングについてメリット・デメリットも含めてご紹介しました。ここでは、アウトバウンドマーケティングの成功事例をご紹介させていただきます。
事例①:株式会社ユーザベース
アウトバンドマーケティングの成功事例として紹介したい企業の1つ目が株式会社ユーザベースです。株式会社ユーザベース(以下、ユーザーベースにて記載)は経済メディアの「NewsPicks」を運営する企業になります。
ユーザベースがアウトバウンドマーケティングで成功した事例は自社の人材採用の事例です。人材採用で最も大切になるポイントは募集する職種の母集団形成になります。
しかし、ユーザベースは採用担当のスタッフが日々のルーティーン業務が忙殺され、母集団形成のために取り組む時間が不足していることが課題でした。
そこで、業務のアウトソーシング化を実施。これにより、募集職種に該当する人材への積極的なアプローチが可能になり、人材の母集団形成が十分に行えるようになりました。
その結果、年間100人以上の採用を実現できる体制の構築に成功しています。
事例②:株式会社SmartHR
アウトバンドマーケティングの成功事例として紹介したい企業の2つ目が株式会社SmartHRです。株式会社SmartHRは「SmartHR」という、労務に特化したSaaSサービスを提供しています。
SmartHRは労務の業務で必要になる様々な書類をWeb化し、人的資源の管理を円滑にするサービスです。
同社が対象としている顧客は非IT業界かつ地方の企業。そして、建設業、医療業界の企業も該当します。同社が過去に培ってきた豊富な導入事例を上手く活用してマス向けにアプローチし顧客の開拓を実現しました。
アウトバウンドマーケティングのマーケティング手法を的確に実践し成功した事例になります。
まとめ:アウトバウンド・インバウンドは状況に応じて使い分けよう
アウトバウンドマーケティングについてまとめてきました。
スマートフォンが普及し、通信環境が整備されつつある現代では、顧客一人ひとりに合わせた施策を行えるインバウンドマーケティングが一般的になりつつあります。
しかし、アウトバウンドマーケティングにも即効性があり成果をすぐに出せる点や、対象となる母集団に大々的なアプローチができる点などのメリットがあります。
企業が効果的なマーケティング施策を行うにはアウトバウンドマーケティングとインバウンドマーケティングの双方のメリット・デメリットを把握し状況に合わせ使い分けることが必要です。
本記事がアウトバウンドマーケティングについての理解を深める参考になれば幸いです。

