
営業として働いていると、新規営業を目的としたテレアポをすることがあります。日頃からテレアポに取り組んでいる人の中には、以下のような疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか。
- トークスクリプトが必要な理由を知りたい
- トークスクリプトの作り方を知りたい
- トークスクリプトのテンプレートの構成を知りたい
- トークスクリプトの活用方法を知りたい
アポイント獲得をするためにはテレアポが欠かせないですが、闇雲に電話を掛けても意味がありません。
本記事では、トークスクリプトの必要性や見やすいスクリプトの作り方について解説していくので、上記のような疑問を抱えている人はぜひ最後までお読みください。
トークスクリプトが重要な理由は?【メリット】
テレアポにおいてトークスクリプトが重要視される理由は以下のふたつです。
- PDCAを回してアポイントを取りやすい仕組みを作れる
- 教育コストが抑えられ、新人でも即戦力として活躍できる
トークスクリプトの細かい作り方について知る前に、まずは必要性について把握しておきましょう。
トークスクリプトが重要視されるふたつの理由について解説していきます。
PDCAを回してアポイントを取りやすい仕組みを作れる
テレアポをする際は基本的にスクリプトを見ながら行うことになります。
特に、電話営業を始めたばかりの頃はスクリプトを確認しないと話す内容がまとまらないため、効率的にアポイントを獲得するのが難しいです。
電話でアポイントを獲得するのに効果的なスクリプトは、提供しているサービスや業態だけでなく、掛ける地域によっても変わります。
ひとつのスクリプトでアポイントを量産できる可能性は限りなく低いため、PDCAを回して改善を施すことが重要です。
トークスクリプトがあれば、反応が良かった文言や話の流れが明確にわかるため、よりPDCAを回しやすくなるでしょう。
教育コストが抑えられ、新人でも即戦力として活躍できる
テレアポを始めてから半年以上経ってくると、相手の反応や自社のサービスに対して知見が深まり、感覚的に架電することができます。
しかし、初心者が経験値を積むまでつきっきりで指導していると、経験豊富な人員を割く必要があるため教育コストがかかってしまうでしょう。
スクリプトを活用すれば見るだけで効果的な会話方法が掴めるため、新人でも即戦力としてテレアポに導入可能です。
PDCAを回してより効果的なスクリプトを発見できれば、人員を複数導入して人海戦術でテレアポを実行することもできます。
【テレアポ担当者必見】トークスクリプトのテンプレートは?【雛形を紹介】
基本的にトークスクリプトの構成は以下のようになっています。
- 挨拶・自己紹介
- 導入のトーク
- 本題
- クロージング
成果を出せるスクリプトを作るには、上記の項目を盛り込んでテンプレートを作ることが大切です。
それぞれの構成についてひとつずつ確認していきましょう。
挨拶・自己紹介|名乗ることで警戒心を解く
テレアポをする際は、まず挨拶や自己紹介を通して相手の警戒心を解く必要があります。
なぜなら、情報開示してこない相手に快くアポイントを承諾してくれる相手はごく少数だからです。
具体的な例としては、以下のような挨拶が挙げられます。
- 「お世話になっております。〇〇株式会社の〇〇と申します。」
会社名や名前をまずは明確に伝えることが大切ですが、中には「お世話になっております。」という言い回しを好まない人もいます。
「恐れ入ります。」などの文言も合わせて活用していきましょう。
導入のトーク|相手のメリットを説明する
自分の情報を開示したあとは、相手にとってどんな徳があるのか説明します。
ただメリットを伝えるだけでなく、具体的なプラスポイントを話すことが大切です。
どれだけ言葉遣いや態度が良くても話の内容がよくなければ意味がないため、簡潔にメリットを伝えるようにしましょう。
「〇〇というサービスについて」よりも「〇〇という効果が期待できる〇〇というサービスについてなのですが」のように話すとメリットが伝わりやすくなります。
相手が抱えている問題を解決できることが伝われば、アポイント獲得の確率を大幅に上昇可能です。
本題|要点を簡潔に説明する
メリットを伝える段階までで、相手に電話を切られたり断られることがなければ本題に入っていきます。
自社サービスの特徴や他社と違うポイントを話していきますが、だらだらと話し続けると途中で電話を切られてしまうので注意してください。
一度のテレアポで活用できる時間は長くても10分程度が限度です。相手が業務中の場合は、使える時間がさらに短くなるでしょう。
要点を簡潔に話せるように、本題に関する事項は事前にまとめておくことが大切です。
ヒアリング|相手の悩みを引き出して誘導する
要点を簡潔に説明したら、相手の悩みを引き出せるようヒアリングをしてください。「◯◯についてお困りのことはありませんか」という具合で、相手の立場に立って具体的なシーンを交えながらヒアリングしていくと良いでしょう。
相手の悩みが引き出せたらクロージングに移行できますし、会話も弾むこと請け合いですので、テレアポにおいて相手の悩みを引き出すことは必要不可欠です。
クロージング|選択肢を与えて選びやすくしよう
本題を最後まで話すことができたら、最後にクロージングをしてアポイント獲得を狙っていきます。
「来週中で空いている人はありますか?」というような聞き方だと断られる可能性が高いため、日程を調整するときはこちらから具体的な候補を挙げるようにしましょう。
「はい・いいえ」で答えるのを防ぐために、ふたつ程度の候補を提示するとさらにアポイントが取りやすくなります。
「来週の火曜日か木曜日ならどちらがいいですか?」というふうに質問すると、スムーズに返答がもらえるのでおすすめです。
アポイントの獲得・日程調整
クロージングが終わりアポが終わったら、次のミーティングの約束を取り付けましょう。
日程調整に関しては、日程調整ツールを活用すると、より簡単に相手と日程調整ができるのでおすすめです。
【トーク集】テレアポ(電話営業)のトークスクリプトの例文は?
テレアポ(電話営業)のトークスクリプトの例文をご紹介します。
トークスクリプトの作成の流れや作り方がいまいち分からない方は参考にしてみてください。ぜひ実戦で活用しましょう。
①挨拶・自己紹介
テレアポ「お世話になっております。株式会社◯◯の◯◯と申します。お忙しい中、大変恐れ入りますが、担当者の方をお願い致します。」
相手「はい、■■です。」
②導入のトーク テレアポ「働き方改革の重要性が叫ばれる昨今において、オンラインツールを導入する企業が増加しております。なかなか対面営業できない時世で、オンラインで効率的にお客様に対し商品の紹介ができるツールのご紹介でございます。」
③パターン1:忙しいと言われた場合
テレアポ「■■様、承知いたしました。お忙しい中、大変失礼致しました。では、資料だけでも送らせていただきたいのですが、いかがでしょうか?」
③パターン2:興味を持ってもらえた場合 ヒアリング
テレアポ「■■様、御社の現在の営業スタイルについて困っていることはありませんか?」
相手「対面営業がなかなかできないので、営業訪問率が落ちており、それに比例して売上も落ちているんだ。」
テレアポ「なるほど。ご教示いただき誠にありがとうございます。確かに対面営業できないと営業しづらくなりますよね。過去にオンラインツールについて社内で検討されたことはございませんでしょうか?」
相手「話し合ったけど、いろいろあって良く分からないんだよね。」
④クロージング
テレアポ「なるほど。そうしましたら、もしよろしければ、弊社がご提案可能なオンラインツールのご紹介をさせていただけないでしょうか。導入のイメージが付きやすいように、実際に弊社がご提案可能なオンラインツールを使いながら■■様とオンラインでやり取りをする、というのはいかがでしょうか?」
相手「なるほど、それは良いね。じゃあお願いしようかな。」
⑤アポイントの獲得・日程調整
テレアポ「ありがとうございます。■■様、それでは早速次回のご面談日についてご相談させていただいてもよろしいでしょうか?
たとえば今週の木曜日か金曜日の場合、どちらがご都合よろしいでしょうか?」
わかりやすい・成果の出るトークスクリプト(台本)を作成する際のコツは?
わかりやすいトークスクリプトを書きたい場合、以下3つのコツについて留意する必要があります。
- 成果を出している営業マンの対応を参考にする
- 応答集を用意しておく
- テレアポの目的を明確にした上でスクリプトを作成する
ひたすら電話をかけ続けるよりも、コツについて把握してからスクリプトを作成した方が成果が出やすいです。
それぞれのコツについて確認していきましょう。
成果を出している営業マンの対応を参考にする
トークスクリプトを改善したいと考えているのであれば、まずは成果を出している営業マンを参考にすることが大切です。
会話の中から相手のニーズを引き出したり、自社サービスの魅力を余すことなく伝えるためには、ある程度の経験則が必要になります。
いきなり自分流にスクリプトを改変していくと、結果が伴わない可能性が高いので注意しましょう。
テレアポに関わらず、物事を極めるためには「守破離」という考え方が重要とされているため、時には教えを乞うハングリー精神も重要です。
できる営業マンのテレアポを動画に撮って分析・教材にする
できる営業マンのテレアポの様子を動画に撮って分析することは、非常にメリットがあります。なぜなら、この動画自体が教材になり得るからです。
たとえば表情を例にしましょう。できる営業マンは、相手が聴きやすい声のトーンを作って声を出しています。その際の表情に着目するのです。
ニコニコと笑顔を作って発声していることが分かると思います。
聴きやすくハキハキとした声色は、表情を豊かにしてニコニコした顔でなければ発することはできないのです。
同じようにニコニコと表情を作りながら発声するだけで随分聴きやすい声に変わるでしょう。このように、できる営業マンの動きや表情を動画に撮り、真似ることはとても勉強になるのです。
アクセント・抑揚をつける箇所がわかるようにする
トークスクリプトのテキスト形式だけだと、アクセントや重要視して話すべきところがわからないことがあります。そのため、以下2点に関しては、自分で分かるようにマーキングしたり印をつけて起きましょう。
・相手に投げかけたいところ
・押したいポイント
PRしたい箇所、強調したい箇所にアクセントをつけて発声すると相手に伝わりやすくなるのです。ぜひ参考にしてみてください。
応答集を用意しておく
電話をかけて営業をする際はこちらから一方的に話すだけでなく、相手から質問を受けることもあります。
特に、サービスの値段や行っているキャンペーンなどの細かい情報はよく聞かれるため、事前に把握しておく必要があるでしょう。
質問に答えられなかったり、回答までの時間が大きく空いてしまうと不審に思われてアポイント獲得まで行けない可能性があるので注意してください。
急な質問に答えられるか不安な場合は、同期や先輩にランダムで質問を投げかけてもらって練習することが大切です。
テレアポの目的を明確にした上でスクリプトを作成する
テレアポ用のトークスクリプトを作成するときは、目的を明確に定めておくことも重要です。
アポイント獲得が目的であれば、サービスの内容を全部話す必要はありません。
簡潔にポイントを伝えて、興味を最大限惹けるようなスクリプト作成を目指しましょう。
電話をした目的が契約の場合は、より細かい情報を伝えられるように工夫を施す必要があります。
また、さらに目的を細分化すると「決算者の名前の獲得」や「確度の高い見込み顧客の獲得」なども挙げられます。
それぞれの目的によって適切なスクリプトが異なるため、まずは目的ごとにスクリプトを作成してひとつずつ試してみましょう。
端的に相手にとってのメリットが伝わるようにする
テレアポ相手は往々にして時間のない方が少なくありません。そのようなケースを想定した上で、端的にメリットを相手に分かりやすく伝えるようにしておく必要があります。
たとえば「弊社の◯◯サービスを導入することで低ランニングコストが実現できます。現状◯◯万円掛かっていたコストが◯万円にコストダウンできるのです。いかがでしょうか?」という具合です。
明確に、サービスを導入することでどのような未来を与えることができるのか簡潔に述べること。これがテレアポにおいて極めて重要なポイントとなります。
テレアポする業種によってトークスクリプトを分ける
テレアポする業種によってトークスクリプトを分けておくことは重要です。
なぜなら業種によって、相手のお困りごとは異なるからです。
たとえばターゲットが営業会社であれば、営業手法や売上に関するお困りごとを抱えているケースが多いです。
一方で人材紹介会社であれば、集客方法やマーケティング手法についてお困りごとを抱えているケースがあります。
このように業種によってお困りごとは変わってくるため、営業マンはこのことを想定してトークスクリプトをいくつか作ってパターン分けしておく必要があるのです。
心理学を活用する
テレアポする際、心理学を活用しながらテレアポするのと、心理学を活用せずテレアポをするのとでは成果に顕著な差が出てしまいます。
心理学を活用することで以下の効果が期待できます。
・電話を切られにくくなる
・アポイントの獲得率が上がる
テレアポする際は必ず心理学を活用するようにしましょう。
詳しい心理学の内容を知りたい方は以下記事をご参考にしてみてください。
トークスクリプトの効果的な運用方法は?
トークスクリプトを作成できたら、以下のような運用を施していきましょう。
- PDCAを回して常にトークスクリプトを改善していく
- トークスクリプトをそのまま読み上げないように注意する
新しいスクリプトである程度の結果が出ても満足せず、常に運用していくことが大切です。
ふたつの運用方法について解説していきます。
PDCAを回して常にトークスクリプトを改善していく
トークスクリプトを新しく作成して結果が出るようになっても、経済状況や流行の変化によって通じなくなっていくことが往々にしてあります。
したがって、常にPDCAを回して改善していき、情報をアップデートしていくことが大切です。
成果が出るからといって、古いスクリプトに固執しすぎないように注意しましょう。
時事ネタなどの情報を加えるとスクリプトの内容に信憑性が増すので、日頃から新聞やネットニュースからキャッチアップして盛り込んでいってください。
トークスクリプトをそのまま読み上げないように注意する
作成したトークスクリプトの話の流れや内容が良くても、棒読みのままだと感情が伝わらないため悪い印象を与えてしまいます。
トークスクリプトはあくまでもベースとして活用して、読み上げるだけにならないようにしましょう。
テレアポをする際は普段の声よりもトーンを上げて、少し感情を乗せることが重要です。
あからさまな演技をする必要はないので、相手が不快に思わない話し方を模索してください。
トーク方法を短期間で習得したいのであれば、上司や同期と何度もロールプレイングをすることがおすすめです。
悩みを「聞き出す」ことを意識する
テレアポの目的はアポを取ることではありません。アポを獲得して商談に繋げ、最終的にお客様のお困りごとを解決することです。
そのため、ヒアリングの段階でお客様のお困りごとを聞き出すことは極めて重要です。
この段階できちんと聞き出せていないと、お客様の心に刺さる提案を行うことができないからです。
必ずヒアリングの段階でお客様の悩みを聞き出し、その悩みが解決できる方法を提案すること。これが営業において最も重要なことなのです。
まとめ:トークスクリプトを活用してアポイント獲得を効率化しよう!
営業でアポイントの獲得をする際は、トークスクリプトをうまく活用する必要があります。
特に、まだ経験値が足りていない初心者にとってはスクリプトが不可欠です。
効果的なスクリプトの定義は、提供しているサービスや相手の業態、架電先の地域によっても変わります。
ひとつの台本で全ての条件をクリアするのは難しいですが、簡単に改変できてPDCAを回しやすいのがトークスクリプトのメリットです。
トークスクリプトを新しく作成する際は、導入の挨拶や本題の簡潔さを意識してください。
また、より成果の出せる営業マンになるには、ただスクリプトを作成したら終わりではなく、常に改善を施していく気概が必要になります。

